失踪した一人娘シェリルを探しに、様子のおかしいサイレントヒルにひとり乗り込んでいく主人公ハリーは、そこで奇怪な生き物が徘徊しているのに出くわすことになる。そしてその得体の知れないものたちは、ハリーを見つけるや緩慢な動作で、だが猛然と襲いかかってくるだろう。
ハリーは、特別な訓練を受けたわけでもない、せいぜい通常の兵役を済ませたくらいの、普通の市民だ。生死をかけて戦うことには慣れていない。
調理場で見つけたナイフ、道ばたに落ちていた鉄パイプ、とにかくそこらにあるものをひっつかんで、やみくもに振り回して撃退するのが精いっぱいなのだ。
しかし、最良の方法は、見つからないように慎重に進むか、見つかった場合はわき目もふらずに逃げ出すことかもしれない。
なにしろハリーは生身の人間、戦いには素人の一般市民だ。怪物を倒すのが目的じゃない。消えた娘を、このおどろおどろしい生き物がうろつく危険な町のなかから、一刻も早く見つけださなければならないのだ。
戦うのは、やむを得ないときだけと割り切った方が、生命を危険にさらさずに済むだろう。