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Closer - クローサー

巨大な体躯と長い腕を持つ怪物。
袋状になった腕の先端から刃を出して攻撃してくる。
意外な場所から出現することも……。


「近寄らないで!」
ヘザーの言葉が通じないのか、それとも無視しているのか、その歩みを止めることなく近寄ってくるクローサー。
このちっぽけなハンドガンだけで、この怪物を倒せるのか?
闇の向こうに浮かび上がるクローサーの影。
戦うか、逃げるか……。


<About design of creatures>

「SH」シリーズのクリーチャーデザインには、毎回、異なったコンセプトが存在します。コンセプトを持たせる事が、このゲーム独自の世界観をトータル的に向上させるのに欠かせない点であるからです。
私は、このシリーズに対して、ゲームをプレイし終わった後にもユーザーの方々に色々とイメージを巡らせて欲しいと願っています。映画を観終わった後で、連れと一緒にそのストーリー、世界について話し合う。そういった時間というのは、実に楽しいものです。私個人的にも、この時間というのは非常に大切です。新たなアイデアが浮んだりする時でもありますから。妄想癖があると言っても過言では無いくらいです。一応、現実との境目ぐらいは判断できると思っています。
コンセプトは、この点に非常に関わりの強いものです。ちぐはぐなものでは、混乱する一方になってしまいます。それでなくても、このシリーズは「難解」というイメージが強いですから。
しかし、明確、明瞭なコンセプトをたてても、それをデザインに落としこむ作業が待っています。「笑い」でもそうですが、単純なものでもいけないですし、かといって誰も笑ってくれない難解なものも困りものです。下積み生活が長引く一方です。この点は非常に苦労するところです。勿論、その苦労がやり甲斐のあるものなのですが。しかし、私はマゾヒストではありません。
それと、「恐怖」。これが癖モノです。極端に言ってしまえば、恐怖は人それぞれ、千差万別なものです。皆、異なる経験をしてきている訳ですから。日本、アメリカ、ヨーロッパ・・・等、その国々独自の言い伝えや童話など、嫌という程の「刷り込み」が行われて育ってきているのです。最終的には自分の感覚に頼りますが、これは本当に頭の痛い作業です。
そして「SH3」のお話。今回、クリーチャーデザインに関しては、アートディレクションの方に力を入れたという理由もあるのですが、私以外に3人の方がデザインに関わって頂き、デザイン監修という立場をとらせてもらいました。結果的にこれは、良い方向へといきました。それは、外見の特徴に様々な「色」が増えたという事です。やはり、赤や青、黄色とあった方がカラフルで飽きがこないものです。「癖」というものは、しばしば、己の首を絞めかねないものだと考えていますので、この選択は非常に有効でした。私自身も他の方のデザインを拝見できて、色々な発見がありました。結果、過去2作品のどちらとも異なったイメージのものになりつつあります。

(Art Director/Masahiro Ito)






double head - closer
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