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 SILENT HILLに限らず、テレビゲーム(以下ゲーム)のサウンドデザインって、とても特殊性帯びてると思うんだよね。インタラクティブに作用するものに「音」を当てて、更にハードの限界を考慮し、それらを埋め込み、最大限の効果を出さないといけなかったり。インタラクティブな時点で、音をデザインするのは、他にも例のないクリエイト作業だとも思うんだけどね。
 自分自身は、この時点でゲームは「音楽」も「効果音」も「台詞」も、全て「音」となるものは、同じ目線で考え、クリエイトしないといけないと思ってる。
 自分自身にとって、SILENT HILLの「音」は、そんな所から生まれてきてるかな。

 やはり、これら「音楽」「効果音」「台詞」等、SILENT HILLっていうゲームから鳴ってくる全ての音を一人でクリエイトしないといけないので、それらは膨大な作業量になるんだけど、「SILENT HILL」という世界感の整合性を保つには、これしかないんだよね。又、ある意味、それはサウンドをクリエイトする上での発想を縦横にさせるしね。
 「SILENT HILL 1」から使ってる「ノイズインダストリアル」もこれらに当たるかな。こんな事、クリエイトする上で、他人に理解してもらえないからね(笑)。
 作り方なんか、他人に説明しようもないし(笑)。

 又、SILENT HILLでの「音」のデザインは、「調和」をとても大切にしてるね。
 絵に対する説明口調の様な「ゲーム音楽」や「効果音」って沢山あるみたいだけど、それは避けて通ってるね。自分は映像と音が「調和」して、生まれてくる結果を表現したいね。
 でも、それを実現できるのは、SILENT HILLプロジェクトのスタッフと、同じ方向を見定め、ゲームとして、最高のものを仕上げようっていう気持ちがあるから出来るんだけどね。
 結果は確実に「I enjoyed myself and yourself」だね。

Akira Yamaoka

©1999 2003 Konami Digital Entertainment Co., Ltd.