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講談で「恐怖」をコラボレーション ~サイレントヒル4 初回版CD収録~
一龍斎貞水先生インタビュー[前編]

2004年3月、「サイレントヒル4」 初回版CD『響談』の収録が都内のスタジオで行われました。収録後、一龍斎貞水先生へのインタビューを行い、今回のコラボレーションや講談について、大変興味深いお話を伺うことができました。


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■講談で「恐怖」をコラボレーション~サイレントヒル4 初回版CD収録~
コナミ-インフォマーシャルチャンネル-コナミニュース
収録・インタビューの模様をご覧頂けます。[クリックするとウインドウが開きます]


──おつかれさまでした。今日初めて響談用につくって頂いたお噺だということなのですが、いかがでしたか?

いつものことですからね。喋りながらつくるっていうのが我々のやりかたですからね。音符もなきゃ、台本もないでしょ。ただお客様もいないから、ねぇ。ん~、大変でした。

──やっぱりスタジオって雰囲気が違いますか?

ですよね。やっぱり違うみたい。

Q:今回のコラボレーション(サイレントヒルと講談)について、どう思いますか?

こういうゲームっていうのは、時代ですよね。今あるんだもんね。
例えばテレビができてきたときに、「俺達の演芸はテレビの演芸じゃない」って言ってた人たちが多かったけれど、もはやそういう時代じゃないですよね。テレビはテレビ用の講談をやらなきゃいけない。
で、今こういうものがあるってことは、やっぱそれを我々もなんとかして活かすとか、その中に我々が入っていかなきゃいけないでしょ。あるいはそのゲームの画面から我々が出てくるようなことがなきゃいけないし。
第一ね、ゲームなんかやる人、好きなの、僕。
例えばね、ホラーなんかやる人はね、面白い。
というのはね、そういうことが好きな人間は、世の中の悪いこと、いいこと、っていうのが分からないと面白くないはずですよ。そうでしょう? 「これは悪いんだ、これは恐いんだ」って言うことが分かるから、恐さに対する自分の怖さ、悪に対する自分の怒りっていうのができてくるんで。ゲームを楽しむっていうことは案外理性に富んだ人が多いんじゃないの? じゃないと、ねぇ。変だもの、うん。
だってそうじゃない、「このやろ~悪い奴やっつけちゃえ」って思いながらやってるわけでしょう?みんな。そういう悪い奴に対する怒りを持っているっていうのは、いい人間ですよ、ねぇ。
だからゲームっていうものは流行るんだと思うし、みんなそういったものを楽しむんだと思うし。
我々もそういったものがあるんなら、こういった機会があったら、やんなきゃ。寄席の楽屋で「俺は古典芸能の演者だ」って、えばってる場合じゃないもんね。

──そう言っていただけると嬉しいです。逆に古典の方から見ると「ゲームなんて」と言われるんじゃないのかなと思ったりするのですが。

いや、そんなことないよ。
もっとできたらやりたいけど、ただ、できねぇから悔しいんでね。それで「冗談じゃぁないあんなもの」って言ってるけど、腹ん中は全然別ですよね。口と腹とではね、うん。

Q:日本と海外のホラー(怪談)の違いは何か感じますか?

ま、本質的には人間が人間を怖がらせてんだから違わないんだろうけども。
日本の怪談というのはね、はっきり言うと、本当は幽霊が見える人間と見えない人間といるんですよ。
例えば、悪いことした幽霊に出られる人はそいつが見えるけど、他の人には見えない。つまりあの、なんでこの人間が幽霊になちゃったか、なんでこの人間が幽霊に祟られるようになっちゃったか、人と人とのしがらみ、それを語るわけですよね、日本の幽霊ってのは。
で、外国の話とか、ああいうものはね、なんでここにこれが出てきたのかとか、なんでこんなに家がガタガタ動いちゃうのかっていう、出る方と出られる方に意外と必然性や関連性がないじゃない? でもそれは娯楽として脇から見てたら大変楽しい。
日本の怪談ってのは、怖いでしょう? それはあんたも思ったことがあると思うけど、「俺はあんなことしなきゃよかったな」とか「あの人にあんな嘘つかなきゃよかったな」とか思うことあるじゃない。怪談ってそういうこと語るでしょ。だから、「あ、あれは僕だ」とか「あいつは俺の隣にいる」とか、つまり古くないんですよ。今なんですよね。今のテーマなんです、「怪談」ってのは。
だから皆さんもね、「怪談」は身近にあるから、隣にいる人もいっぺんよく見た方がいい(笑)っていうのが「怪談」ですよね。だから意外に今様な噺なんじゃないかなって思うけど。

──今日のお噺もそうでしたけど、「親子の愛情」プラス恨みつらみっていう、人間のコミュニケーションの中から生まれてくるものだから、それだからこそ余計怖いというか。

そうそう、僕らがやっているのは、「びっくりした驚いた」っていうのは、遊園地のお化け屋敷の楽しさで、「怖い恐ろしい」ということが分かれば、僕らの怪談はいいんだと思う。

Q:貞水先生が思われます、恐怖とはどういったものでしょうか?

意外に恐怖っていうのを感じないようにしているんですけどもね。だけど、恐いよね。だけど、なにか恐いなってことが感じられることが、なにか人間的な感覚があるんだと思う。
「恐い」っていうことが分かってるから、じゃあどうしたら恐くなくなるんだろうかって風に変わるわけでしょう?それは。自分を変えるためにはね、やっぱり恐いってことも、それから悪に対する怒りとかね、そういうものがないとね。
「俺は恐くねぇや」って怖さを感じない奴はね、きっと人に怖いことしてる奴だと思うよ。だって自分が痛けりゃ、人のこと痛くしないはずだもの。自分が悪いと思ってないから、悪いことしたり、怖いと思ってないから怖いことするんじゃないの?
だから、うんと怪談を聴いてね、観てね、うんと怖がってくれると、「あの人いい人ね」っていう風になるんじゃないの。





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