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サイレントヒル4
サイレントヒル4 制作者の声
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 今作では、ディレクターとシナリオを担当させてもらいました村越です。
 もともと、「サイレントヒル2」の時は、ドラマディレクションという立場から、シナリオの原案作りには参加していました。

 ゲームのシナリオは、小説や映画の脚本と違い、プレイヤーが能動的である事が特徴です。今作のシナリオで意識したのは、プレイヤーの色々なプレイスタイルに対応することでした。ムービーやデモなどのシナリオ展開の要素を適材適所に配分し、なおかつ今回初めて導入したプレイヤブルデモ*や、自室での玄関や隣室の覗き、森の中の謎の文字や赤の日記を始めとするテキストなど、シナリオ上重要なイベントをあえて必須にせず、プレイヤーが能動的に行動しないと裏に隠れている設定があまり見えてこないようにしてあります。
 ホラーというジャンルは、「何か奇怪なことが主人公などに降りかかり、恐怖を体験する。」だけで十分シナリオとして成り立つものです。必ずしもその奇怪な現象の原因が解き明かされる必要はないのです。今作において、シナリオ上重要なイベントをスルーしてゲームを進めたプレイヤーは、上記の意味で、それなりのシナリオ展開を味わえるといっても良いのです。むしろその方が、主人公ヘンリーのリアクションとしてはリアルとも言えるかもしれません。原因などどうでもいいから、とにかく奇怪な現象から逃れることに注力するわけですから。しかしプレイヤーによって、くまなく能動的に行動すれば、その奇怪な現象の裏に潜む物語やその原因などが垣間見えるのです。
 そういった意味で、プレイヤーの色々なプレイスタイルに対応したシナリオになっています。どれだけイベントをスルーしようが、全てのイベントを体験しようが、どちらでも正しいシナリオを味わうことができるのです。

 シナリオに関しては上記のようなこだわりをもって制作しましたので、まだプレイされてない方は勿論、既にプレイされた方に関しては、また違ったスタイルでプレイしてもらって楽しんでいただけると幸いに思います。


*プレイヤブルデモ:プレイヤーは普段と同じプレイヤブルで自由に動ける状態で、他の登場人物が一方的に話してきたり、勝手に動いていたりするイベント。



---- ディレクター兼シナリオ担当 村越卓 ----


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